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急性胆嚢炎に対する新規内視鏡治療法のご案内

~HotAXIOS systemを用いた内視鏡的胆嚢ドレナージ~

平素より大変お世話になっております。
横浜労災病院 消化器内科より、新たな治療選択肢のご案内です。

 

急性胆嚢炎に対する治療の現状と課題

急性胆嚢炎に対しては外科的胆嚢摘出術が根治的かつ最良の治療法とされていますが、ご高齢の患者様や、重度の併存疾患、認知機能低下などを有する症例では、手術リスクが高く治療選択に難渋することが少なくありません。

これまで、手術の代替としてPTGBD(経皮経肝胆嚢ドレナージ)が広く行われてきましたが、外瘻管理の煩雑さ、QOLの低下、自己抜去リスクおよび入院期間の長さなどが問題となります。また、当科の得意分野であるERCPを用いたETGBD(経乳頭的胆嚢ドレナージ)も行っていますが、膵炎リスクはゼロではありません。

 

新たな選択肢:HotAXIOS systemによる内視鏡的治療

このたび当科では、HotAXIOS systemを用いた内視鏡的胆嚢ドレナージを開始いたしました。本デバイスは、大きなフランジと優れた把持力を有する瘻孔形成用補綴具であり、従来は膵嚢胞などに使用されてきましたが、現在では急性胆嚢炎にも適応されるようになっています。

 

                                                                                       シェーマ:© 2025 Boston Scientific Corporation. All rights reserved.

本治療の特徴:

  • ・手技は全て内視鏡下で行われ、通常10分程度で完了
  • ・PTGBDと比較し、
    •   〇手技的成功率:97% vs 97%
    •   〇臨床的奏効率:100% vs 96%
    •   〇有害事象:7% vs 3%(同等)
        と、エビデンスレベルの高いデータが報告されています

  (Jang JW etal. Gastroenterology 142 ; 805―811 : 2012

    • ・外瘻が残らず、QOLへの影響が最小限

 

対象となる患者様がいらっしゃいましたら、ぜひご紹介ください

当科では膵嚢胞治療において以前からHotAXIOS systemを導入しており、既に胆嚢炎への応用も開始しております。対象となり得る患者様がいらっしゃいましたら、ぜひご紹介いただけますようお願いいたします。

適応は、手術のリスクが高い急性胆嚢炎でドレナージが必要な患者の内

・後期高齢者など術後の合併症リスクが特に高い症例

・高齢や認知症のため、術後せん妄や身体機能低下のリスクが高い症例

・解剖学的理由や併存疾患その他の理由で他の胆のうドレナージ手技が難しい例

・胆のう摘出術の難易度が著しく高いと考えられる症例

となりますが、適応の判断に迷われる場合も遠慮なくご相談ください

当院で他治療法を含めて説明・検討させて頂きます。

 

ご紹介・ご連絡方法について(急患対応)

急性胆嚢炎では緊急対応が必要となることが多いため、以下の体制にて平日・夜間・休日を問わず対応可能です。

病院代表:045-474-8111あるいは 地域医療連携室(平日日中のみ)045-474-8345を介して

 

      • ・平日日中(8151700:「消化器内科 救急当番医」まで
      • ・夜間・休日(17:0023:15:院内待機の「消化器内科 オンコール医」まで
      • ・夜間深夜(23:15以降):「救急外来」まで

 ご連絡ください。

 

ご不明点などございましたら、遠慮なくお問い合わせください。
今後とも、地域連携のほど何卒よろしくお願い申し上げます。

 

横浜労災病院 消化器内科

代表電話:045-474-8111
担当医:関野雄典