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運動器センター・運動器外傷センター

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診療科紹介

運動器外傷センター

運動器とは手や足のことです。外傷とは怪我のことです。高いところから落ちたり車にはねられたりすると内臓や手足に怪我をします。脳の怪我は脳外科医が、肺の怪我は呼吸器外科医が、肝臓や大腸の怪我は腹部外科医が治療します。内臓の怪我は命にかかわることが多いですが、手足の怪我が命に関わることは少ないので、昭和の時代には、手足の怪我の治療が後回しにされることがありました。そのため、せっかく命が助かったのは良いけれど、足の骨折がちゃんとくっついていないので歩けないとか、肘の骨折の後遺症で肘が動かないなどということが珍しくありませんでした。平成の時代になって、内臓の怪我の治療と並行して手足の怪我の治療も行うようになり、不幸な患者さんの数が減りました。
手足の怪我は整形外科医が治療するのが普通です。しかし整形外科で行う手術には、背骨の手術、人工関節の手術、神経の手術、靭帯の手術などさまざまな種類があります。ブラックジャックのようなスーパードクターならどんな手術でも上手にこなせるのでしょうが、なかなかそんなスーパードクターにはお目にかかりません。自分の興味のある分野の手術を一所懸命研究してやっと上手にできるようになるのです。運動器外傷センターでは、手足の怪我に興味を持ち、経験を積んだ医師が診療に当たっています。
私は2018年7月から当院の運動器外傷センターに勤務していますが、それ以前の16年間は東京板橋の帝京大学病院整形外科に勤務していました。帝京大学整形外科は手足の怪我の治療で有名なので、全国から難しい症例が送られていました。そこでしばしば目にしたのは、「こんな骨折に手術をしてこんなひどいことになってしまうぐらいなら、最初から手術なんかしなければよかったのに」と思うような症例です。手術をしないとダメな骨折、手術をした方がよい骨折、どちらでもよい骨折、手術をしない方がよい骨折、手術をしてはいけない骨折、色々な骨折があります。今の時代は何でもかんでも手術で治す時代になってしまいました。手術をしないで添え木やギプスで治す治療は面倒くさいからです。骨が曲がらないように添え木やギプスを巻くのは職人技です。外来診療は忙しくて、若い医師に職人技を伝授するゆとりがありません。添え木やギプスで治療している間、骨が曲がってくるようなことがないか、ギプスをいつ外したらよいか、一人一人の患者さんに合わせて細かく診なければなりません。こんな細かい診療を若い医師に伝授するよりも、手術をしてしまった方が簡単なのです。よその診療所で「これは手術の方がいいでしょう」と言われて紹介状を持って受診された患者さんに対して、「いや、これは手術しなくても治りますよ」という話をするのは面倒なのです。でも、手術しないで治るのなら手術はしないで欲しいと考えるのが人情です。当院の運動器外傷センターでは、本当に手術をした方がよい患者さんには手術で、手術をしなくても治る患者さんには手術以外の方法で、個々の患者さんに合わせた最善の治療を提供することを目指します。

 

スタッフ紹介

  • 病院長 / 運動器センター長

    三上 容司/ みかみ ようじ

    卒業年次 昭和58年
    専門分野 末梢神経外科、腕神経叢外科、マイクロサージャリー、手外科、機能再建外科

    学会専門医・認定医:

    日本整形外科学会専門医、日本臨床倫理学会上級臨床倫理認定士、日本整形外科学会認定リウマチ医、日本手外科学会認定手外科専門医・指導医

診療実績

2021年度 骨外傷手術実績
上腕近位 7件
上腕骨幹部 9件
上腕遠位 22件
肩甲骨 0件
鎖骨 19件
前腕近位 23件
前腕骨幹部 8件
前腕遠位 42件
手指 40件
骨盤 1件
大腿骨近位人工骨頭 48件
大腿骨近位骨接合 54件
大腿骨骨幹部 23件
大腿骨遠位 3件
膝蓋骨 12件
脛骨近位 8件
脛骨骨幹部 13件
脛骨遠位 7件
足関節 30件
足部 9件
抜釘  35件
(他部位骨折による重複あり)
総数

370件

(うち小児49件)

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