MENU

当科の研修、就職を検討されている方へ

2024年度は新たに7名の先生方が赴任され、スタッフ10名、専攻医8名の体制で診療に当たることになりました。

当院は横浜市北東部医療圏の地域中核病院であり、3次救急に対応した救急救命センターとがん診療連携拠点病院という特徴を持つため、消化器内科の救急症例も多数受け入れています。各領域の専門医の指導の下で多数の症例経験を積むことができることに加え、オンコール勤務明けの半休取得でスタッフのon-offを明確にする、グループ制(複数担当医制)の採用で休暇を取りやすくするなど、ワーク・ライフ・バランスに配慮した研修・職場環境の維持を心掛けています。

当科の各部門からの案内、ローテートした研修医の先生、消化器内科として当科での専攻医トレーニングを積んでいる先生からコメントを頂きましたのでご欄になって下さい。当科での臨床研修、専攻医トレーニングに興味を持った学生さん、先生方は是非ご連絡ください。

 

病院見学はこちら

 

当科スタッフより(消化管部門)

<横浜労災病院で磨く消化管内視鏡スキル>

横浜労災病院では、スペシャリストによるマンツーマン指導のもと数多くの内視鏡件数を経験することにより、内視鏡操作や観察方法、診断のプロセスなど、内視鏡の基本を早い段階で身に付けることができます。

専攻医1年目は4月から上部内視鏡検査を開始します。内視鏡経験が少ない、もしくはなくても初めは上級医が必ず一緒に検査に入っており、スコープの操作方法や観察方法など基礎的な部分から指導を受けられるため、問題ありません。件数を十分にこなし上級医の許可が下りて独り立ちしたとしても、上級医はすぐ近くにいる環境であるため、気軽に質問することもできます。10月からは下部内視鏡検査が始まります。実際に検査に入る前には模型を用いて上級医の指導が受けられる上、上部内視鏡検査と同様に初めは常に上級医が検査に一緒に入るため、安心して検査に入ることができます。また、当院では救急患者受け入れが多く、緊急内視鏡が多いのも特徴の1つです。専攻医が主体ではありますが、緊急内視鏡の場合は夜間であっても必ずオンコールの上級医とペアで治療にあたります。その疾患は多岐にわたり、緊急時に必要な内視鏡治療全般を身に付けることができます。専攻医2年目になり基礎的な技術を身に付けたらより専門的な検査・治療を開始します。拡大内視鏡による消化管腫瘍の精査や粘膜切除、ポリペクトミーなどを学び、消化管治療に興味のある先生は内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)にも挑戦できます。ESDは繊細なスコープ操作や治療計画が求められますが、専攻医の先生でも術前から上級医と綿密に治療計画を練り、当日も手厚い指導のもとで治療を完遂することができます。

院内のESDハンズオンセミナーなどを開催し消化管治療の魅力に触れる機会を設けて、モチベーションを高められる環境づくりに努めています。

多忙ながらも活気ある当院で、消化器内科として財産となる内視鏡スキルを手に入れましょう。

 

専攻医週間予定表(一例)

午前

救急当番

胃カメラ

ERCP

初診外来

ERCP

午後

病棟当番

再診外来

ERCP

消化管治療

大腸カメラ

消化管治療

大腸カメラ

ERCP

 

2022年度 消化管内視鏡件数(専攻医1人あたり)

上部消化管内視鏡(胃カメラ)

300

下部消化管内視鏡(大腸カメラ)

100

大腸EMR

20

緊急内視鏡(止血など)

60

<内視鏡検査の風景>

 

<盲端部LST病変に対してESD施行例>

 

  

<消化管内視鏡治療チーム>

  

当科スタッフより(胆膵部門)

<横浜労災病院消化器内科の特徴>

横浜労災病院は高次医療機関であることからも横浜市内から数多の症例が集まってくることから消化器分野における専門的な治療も多く、医師6年目以降のスタッフは消化管グループと()胆膵グループに分かれてそれぞれ専門的な検査治療を行っています。特に関野雄典部長のご尽力もあり、近隣病院から胆膵疾患を数多くご紹介頂いていることで、ERCPは年間約700件、EUSは年間約1000件と、全国的にもトップクラスの胆膵内視鏡検査数を誇っています。

<専攻医の胆膵指導体制について>

医師35年目の専攻医の先生方には、ルーチンの内視鏡検査や救急疾患等を中心に消化器疾患全般の診療を行いつつ、多少難易度の高い胆膵内視鏡治療もスタッフの直接指導のもとオペレーターとして処置を行ってもらいます。

具体的にはERCPは全ての4年目以降の先生に、EUSは胆膵領域専門を志す5年目以降の先生に、術者としてスコープを握ってもらい、必ずバックにいる胆膵スタッフとともに処置検査を行います。もちろん処置中上手くいかなかったところやわからなかったところもあるかと思いますので、専攻医の先生方にはその日のうちに“振り返りレポート”なるものを作成してもらい、胆膵スタッフが1症例ごとにフィードバックしていきます。また、我々は積極的に専攻医の先生方にスコープを握ってもらうようにしていますので、毎年100例以上のERCPを術者として経験する専攻医の先生方がほとんどで、経験不足になるということはまずありません。

当科では“専攻医の先生が内視鏡治療を行う際は必ずスタッフがマンツーマンで指導する”という古くからの習わしがあり、それを実現するための教育体制が整っていますので、一から丁寧な指導を希望している先生方にはこれ以上ない環境でしょう。

<横浜労災病院の胆膵グループについて>

膵臓癌・胆道癌は未だに減少することなく近年緩徐に増加傾向で、胆管炎など緊急疾患も多い胆膵領域は今後も益々需要が高まっていくものと考えられていますが、胆膵専門医師が不足している施設は少ないのが現状です。しかし横浜労災病院消化器内科では胆膵スタッフが3人以上常勤していますので、入院症例から外来診療まで胆膵疾患で困ったことがあってもしっかり解決することができます。そのほかEUS-interventionや術後腸管のERCPなどの高難易度処置も積極的に行っていますので、専攻医を終えて胆膵を専門に考えている先生にも十分なトレーニング施設といえます。

また学術的な分野においても実績があり、当科にローテートした研修医は機会があれば地方学会にも参加してもらっていますが、喜ばしいことに毎年奨励賞に選ばれています。専攻医では臨床研究を行い学会総会に参加することもできますし、大学院にも理解があるので筆頭著者として論文のアクセプトから院卒業までサポートしてくれます。

 

<最後に一言>

当科は若手医師が多いですが仕事のメリハリがしっかりしており、プライベートなことも含めて相談しやすい環境にあります。まずはぜひ一度見学に来ていただき、横浜労災病院消化器内科の雰囲気を実際に感じてみてください。当科で研鑽を積むことは間違いなく将来の糧になりますので、興味がある先生はご連絡ください。我々は皆様と一緒に働けることを楽しみにしています。

 

年間内視鏡件数(2022年度)

ERCP

690件(内、専攻医施行数 365

EUS観察のみ

867

EUS-FNA

101

EUS intervention

23

EP(乳頭部腫瘍に対する内視鏡的乳頭切除)

9

 

<実際のERCPの指導風景>

 

 

<消化器内科の雰囲気>

 

研修医の先生方より

2024年度 初期研修医2年目 梅木田悠花先生

私は20224月に横浜労災病院研修医として入職しました。20232月に消化器内科で研修し、内視鏡やERCPなどの多くの診療に実際に参加させていただきました。また、4月に消化器病学会で、初めての学会発表の機会をいただき、消化器内科の先生方に丁寧できめ細やかにご指導いただいたおかげで研修医奨励賞を受賞することができました。指導医の先生方は学会発表の基本的なことから、症例に関する専門的な理解に関して何度も相談にのってくださいました。また、学会発表の直前に新型コロナウイルス感染症に罹患し体調を崩してしまったのですが、直前の準備がままならない中でも辛抱強くご指導くださり大変感謝しております。

当院の消化器内科は若手の先生も多く、一般診療での研修に関しても相談しやすい環境であると同時に、様々な経験を積まれた先生方が多く所属しているため、診療だけでなく学術面においてもとても活動的であると感じます。手厚いご指導を受けながら、研修期間を過ごし、さらに学会発表の機会をいただいたことは、今後の糧となる貴重な経験となりました。

指導医からのコメント:発表直前に自宅療養期間に突入してしまい、準備万端で望む先生としては不本意な状態でのぶっつけ本番だったと思いますが、さすがの勝負強さを発揮してくれました。これからもますますの活躍を期待しています。

 

 

2024年度 初期研修医2年目 阿達航太先生

横浜労災病院初期研修医2年目の阿達航太と申します。私は消化器内科志望ということもあり、当院の消化器内科を合計で4ヶ月間ローテートさせていただきました。僭越ながら私から研修医の先生方へのおすすめポイントを書かせていただければと思います。

まず第一に、当院の消化器内科は内視鏡件数が非常に多いです。消化管チーム、胆膵チームともに活発で、ルーチンの上下部内視鏡はもちろん、ESDERCP、超音波内視鏡なども市中病院とは思えないほど盛んに行われています。私も研修医1年目で初めてローテートした際に、様々な手技を実際に自分の目で見て、また介助という形でどんどん参加させていただく中で、治療の選択肢が豊富でそれを自分の手で行うことができる消化器内科の魅力を肌で感じ、消化器内科医になることを決意しました。

 また、消化器内科志望でない先生でも、救急外来で必ず遭遇する吐血や血便、黄疸などの対応を学ぶこともできますし、腹部画像の読影も上級医の先生方に教えて頂いて強くなることができます。また、内視鏡に関しても、実際に病変がどうなっているのかということを自分の目で見られますので、より疾患への理解が深まること間違いなしであり、将来自分で内視鏡をしない人であっても、当直等で大いに役立つかと思います。

 さらに、若手としてはここが最も重要と言っても過言ではないかもしれませんが、横労消化器内科の雰囲気は本当に良いです。質問すれば優しく教えていただける教育的な環境であり、希望すれば学会発表も経験させていただけます。私も、日本消化器病学会の地方会で学会デビューさせて頂き、ご丁寧な指導のおかげで研修医奨励賞を頂くことができました。そんな教育的な環境でありながら、わいわいと楽しい研修が出来る横労消化器内科、ぜひローテートして頂ければと思います!

指導医からのコメント:4か月間ものローテートで最後の方はほぼスタッフの様な存在でした。私たちと同じ消化器内科医を選んでくれたこと、大変嬉しく思います。能力と人格を兼ね備えたパーフェクトDrとして更にステップアップしていって下さい。学会で会いましょう!

 

 

専攻医の先生方より

2023年度 専攻医2年目 上野航大先生

僕は内科専攻医として横浜労災病院で2年間研修させて頂きました。1年目では、担当症例の多さに圧倒されることもありましたが、内視鏡手技に参加するために皆効率よく業務を終わらせられるようになってくる印象でした。また、横浜労災は専攻医が各学年2人以上いるので、同期と切磋琢磨できたことが本当に良かったです。忙しさや辛い時期はどこでもあると思いますが、共有できる専攻医や親身な上級医がいたおかげで乗り越えられました。

2年目では、少し余裕が出てきた中で、ERCPESDRFAなどより専門的な処置を経験させて頂きました。豊富な症例数が魅力の横浜労災の消化器内科研修の、本番とも言える1年でした。それ故に、より責任を持たなければいけないことは言うまでもなく、ときに厳しく指導をもらえる環境は、2年経って思うに本当にありがたい環境でした。

また、2年目になってからは全国学会として9月に胆道学会に参加し、11月のJDDWでは後方視的検討でデータ解析を行ったものを発表させて頂きました。右も左も分からない状態でしたが、上級医の方々が親切に指導してくれたおかげで、臨床業務の合間で学会活動も参加できたことはとても貴重な経験となりました。地方学会の醍醐味である、大阪や札幌での学会夜の部(?)もとてもいい思い出です。

この2年間を振り返ると、非常に幅広い経験をさせて頂いたなと感じます。その中で、特に感じるのが指導の手厚さでした。専攻医同士の切磋琢磨と成長を後押しする上級医の指導環境が、横浜労災病院の魅力だと思います。

指導医からのコメント:症例への貪欲さにかけては上野先生の右にでるものはいないでしょう。それだけでなく、毎回フィードバックを求めてくれるところや、学会活動にも精力的で、自分のレジデントの頃とは比較にならないくらい物凄い経験をしていると思います。若手のスターとしてこれからも期待しています。

 

 

 

2023年度 専攻医3年目 松本彰太先生

私は、消化器内科の12年目を400床程度の市中病院で過ごしました。その時に胆膵領域を専門にすることを決め、3年目から横浜労災病院で働いています。

 横浜労災病院は市中病院でありながら、ERCP、術後再建腸管のERCPEUSといった胆膵領域の検査・治療件数は大学病院を凌ぐ症例数を扱っています。手技の難易度にもよりますが、それらの処置の多くを専門医が1stで、上級医の丁寧で熱心な指導を受けながら行っております。件数が多いだけではひとつひとつの症例が未消化のままとなってしまいますが、当院では、教育体制が整っていることが大きな特徴です。個々の症例のフィードバックがしっかりしているため、確実に今出来ていることと残された課題が確認できます。私もERCPを中心に、下半期からはEUSのトレーニングも開始し、毎日自分自身のスキルアップを実感しています。

 また、臨床面だけでなく学術面にも力を入れています。恥ずかしながら、私は消化器内科になってから学会発表経験がありませんでしたが、抄録の作成から発表のノウハウまで指導を受け、2回目の消化器病学会の地方会発表では専攻医奨励賞をいただきました。

 忙しいながらも、臨床面・学術面において充実した日々を送れると自信を持って言えます。特に、胆膵領域を専門に学習したいと思っている専攻医・研修医の先生方に参考にしていただければ幸いです。

指導医からのコメント:上級医からの指導を自分なりに解釈して疑問があれば質問できる、経験症例ごとに着実にステップアップできる器用さが松本先生にはあると思います。症例数の多い横労ではその伸びしろは計り知れません。これからのますますの飛躍を期待しています。