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ロボット支援下手術

ロボット支援下手術

 ロボット支援下手術は、米国で開発された内視鏡手術支援ロボット

da Vinci」を用いて行う手術です。ロボット手術には多くの利点があります。そのひとつは体内で操作する鉗子と呼ばれる先端部分に“多関節機能”があることです。これにより実際の人の手に近い動きができて従来の腹腔鏡手術では動作制限があり困難であった複雑な動きもできるようになります。さらにこれまでの腹腔鏡手術ではどうしても手振れが生じてしまいますがロボットには手振れ防止機能がついており細かい操作をスムーズに行うことができます。また術野を映し出すカメラは3Dカメラであり術者は立体感をもった3次元空間として画面を見られるためより安全な操作が可能となります。

当院では20139月より泌尿器科の前立腺癌手術で導入しました。外科領域では201812月より直腸癌、20227月からは新たに結腸癌、8月からは胃癌に対してもロボット支援下手術を開始しており症例数も順調にのびております。

  

日本人の死亡原因の第1位は悪性新生物ですが、部位別では結腸癌と直腸癌を合わせた大腸癌が第2位、胃癌が3位となっており、特に大腸癌は高齢化と食生活の欧米化に伴って増加の一途にあります。低侵襲で患者の予後も良好なロボット支援手術は、今後益々需要が高くなってくる治療法になると思われます。

       

直腸癌手術について・結腸癌手術について

 直腸癌手術では腹部に径812mmほどのポートを6箇所程開け、おなかを炭酸ガスで気腹し、ポートから鉗子や内視鏡などの手術機器を挿入して手術を行います。これまでの腹腔鏡下手術は直線的な鉗子を用いる為、空間の狭い骨盤内では鉗子の動きに制約があり、腹腔鏡下手術特有の技術と工夫が必要でした。ロボット支援下手術では、ポートから関節運動が可能なロボットのアームをおなかの中に挿入し、執刀医は離れた操作部から鮮明な3D画像のもと体の中のロボットアームを動かして手術を進めます。癌の摘出範囲は従来の開腹手術と同様で、直視下には確認できない深く狭い骨盤内でも、3Dカメラとロボットアームを駆使して直感的な操作が行え、より緻密で低侵襲な手術直腸癌手術では腹部に径812mmほどのポートを6箇所程開け、おなかを炭酸ガスで気腹し、ポートから鉗子や内視鏡などの手術機器を挿入して手術を行います。これまでの腹腔鏡下手術は直線的な鉗子を用いる為、空間の狭い骨盤内では鉗子の動きに制約があり、腹腔鏡下手術特有の技術と工夫が必要でした。ロボット支援下手術では、ポートから関節運動が可能なロボットのアームをおなかの中に挿入し、執刀医は離れた操作部から鮮明な3D画像のもと体の中のロボットアームを動かして手術を進めます。癌の摘出範囲は従来の開腹手術と同様で、直視下には確認できない深く狭い骨盤内でも、3Dカメラとロボットアームを駆使して直感的な操作が行え、より緻密で低侵襲な手術が可能となりました。開腹手術と比較して傷が小さいため痛みが軽度で、手術中の出血量は少なく、術後の回復、退院が早くなるなどの利点があります。繊細な手術を行うことで根治性を高め、直腸癌手術で損なわれ易い排尿機能、性機能の温存が期待できます。従来の腹腔鏡手術と比べても、後遺症の少ない身体に優しい手術となっています。直腸癌は病変の部位により低位前方切除術、腹会陰式直腸切断術、内肛門括約筋切除術などが行われ、時に人工肛門造設術が必要となることがありますが、いずれの術式でもロボット支援下手術が適応となが可能となりました。開腹手術と比較して傷が小さいため痛みが軽度で、手術中の出血量は少なく、術後の回復、退院が早くなるなどの利点があります。繊細な手術を行うことで根治性を高め、直腸癌手術で損なわれ易い排尿機能、性機能の温存が期待できます。従来の腹腔鏡手術と比べても、後遺症の少ない身体に優しい手術となっています。直腸癌は病変の部位により低位前方切除術、腹会陰式直腸切断術、内肛門括約筋切除術などが行われ、時に人工肛門造設術が必要となることがありますが、いずれの術式でもロボット支援下手術が適応となります。

 結腸癌についても新たに保険適応になったことで、大腸の全領域をロボット支援下手術で行えるようになりました。結腸癌の存在部位によって回盲部切除術、結腸部分切除術、結腸右半切除術、結腸左半切除術、S状結腸切除術などの術式に分かれます。術前検査で病変の位置や進行度を詳細に評価し、最適な手術方法を提案していきます。

 

胃癌手術について

 胃癌でも直腸癌手術と同様に腹部に径812mmほどのポートを5箇所程開けて手術を行います。胃癌の手術には大きく分けると、胃全摘術、幽門側胃切除術、噴門側胃切除術の3種類がありますがすべてロボット手術で対応可能です。

胃癌に対するロボット手術は、腹腔鏡手術よりも手術時間はやや長くなるのですが術後合併症は変わらないかむしろ少なくなるといった報告がされています。また長期の成績も腹腔鏡手術と変わらないといわれています。当院での胃癌腹腔鏡手術も安全で良好な成績をあげていますが合併症のさらなる軽減、患者さんの負担軽減を目的に積極的にロボット手術を導入しています。胃癌症例の多くがロボット手術の適応になりますが、適応とならない例もありますので個々の症例を詳細に検討して開腹手術なのか腹腔鏡手術なのかロボット手術なのかを決めています。

 

今後の展望

 本邦で腹腔鏡下手術が行われるようになって30年が経ちますが、各領域で標準術式となりつつある現状を鑑みると、近い将来ロボット支援下手術が外科治療の中心になっていくことが予想されます。患者さん各個人の病状に応じて最も適した治療法を選択していくことが重要であり、その選択肢の一つとしてロボット支援下手術を提示して行きたいと考えています。

 安全なロボット手術を患者さんに提供するために、その導入にはきびしい施設基準というものがありもちろん当院は基準を満たしております。ロボット手術は内視鏡手術に慣れた医師が行う必要があるわけですが幸い当院には日本内視鏡外科学会による技術認定医およびプロクターと呼ばれるロボット手術の専門医が複数在籍しています。