腰椎椎間板内酵素注入療法(ヘルニコア)って、なあに?
腰椎椎間板ヘルニアとは
腰椎椎間板ヘルニアとは、腰椎と腰椎の間のクッションの働きをしている椎間板が出っ張って、腰椎の中(脊柱管といいます)を通っている神経に当たってしまい、神経が炎症をおこして腰痛や下肢痛(いわゆる坐骨神経痛などはこの痛みのことをいいます)を起こしてしまう病態です。
詳しくいいますと、椎間板というのは中心にあるゼリーのような「髄核」という成分を硬い層構造の「線維輪」という成分が取り囲んでいるのですが、その線維輪が傷んで中の髄核が飛び出してしまう現象を椎間板ヘルニアといいます(図1)
これまで、腰椎椎間板ヘルニアの治療は
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まず内服で様子をみて
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それでもよくならなければ神経根ブロック(傷んで炎症をおこしている神経根にステロイドを注射して、下肢の痛みを緩和させるものです)
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それでもよくならなければ手術
という流れが一般的でした
そんな中、2018年3月に世界に先駆けて日本で初めて、「ヘルニコア」というコンドリアーゼを有効成分とする腰椎椎間板ヘルニア治療剤が承認されました。
ヘルニコア(コンドリアーゼ)は、椎間板内に直接注入(図2)することにより、髄核の主な成分であるプロテオグリカンの保水能を低下させます。その結果、椎間板内圧が下がってヘルニアによる神経根圧迫が軽減され、下肢の痛みが改善すると考えられています。治療の中の位置付けでいいますと、これまでの神経根ブロックと手術の間に位置するものですね。
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内服
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神経根ブロック
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椎間板内酵素注入療法(ヘルニコア)
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それでもよくならなければ手術
やり方は、局所麻酔をした後にX線透視をみながら椎間板に細い針を刺して、そこから薬液を注入します(図3)。時間にして3-5分程度で終了します。
当院では1泊2日で行っています(もちろん保険診療)。午前中に入院して午後に透視室という、X線透視を見ながら注射できる部屋で行います。翌日の朝退院です。なぜ入院してやっているかといいますと、アレルギーなどの副作用が出ないかどうかをちゃんと確認してから帰宅していただくためです。
最後に、椎間板内酵素注入療法(ヘルニコア)はどの患者さんにも適応になるわけではありません。腰椎椎間板ヘルニアにはいくつかのヘルニア脱出タイプがありますが、ヘルニコアが効きやすい病態と効きにくい病態があります。また、麻痺などがすすんでいる場合はヘルニコアをやっている時間の余裕はなく、なるべく早く手術したほうがよいこともあります。 患者さんごとにそれぞれ病態はちがいますので、ひとりひとりに一番適した治療をおこなっていけるよう診療しております。腰椎椎間板ヘルニアでお困りの方はお気軽にご相談ください。
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