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手術実績:副腎腫瘍

手術実績:副腎腫瘍
(2021年 腹腔鏡下副腎摘除術:68例(うち単孔式33例) 開腹術:0例)

副腎とは両側の腎臓の上方に存在するホルモンを分泌する器官です。副腎にできる腫瘍自体は良性のものが多いですが、ホルモンの過剰分泌により高血圧や糖尿病、その他内分泌疾患の原因となることがあります。

副腎疾患には以下のものがあります。

  • 原発性アルドステロン症 (アルドステロンの過剰分泌による高血圧、低カリウム血症などを呈する)
  • クッシング症候群(コルチゾールの過剰分泌による中心性肥満、糖尿病、多毛などを呈する)
  • 褐色細胞腫(アドレナリン過剰分泌に伴う高血圧、動悸、発汗などを呈する)
  • 副腎癌(通常副腎腫瘍はまれな疾患ですが腫瘍が4cm以上には悪性の可能性があり摘出します。)

当院、内分泌内科には全国より高血圧の患者様が受診され、ホルモン検査、その他検査によって上記疾患の診断となる患者さんが多数いらっしゃいます。内分泌内科と連携し、手術適応を見極め当科で手術を行います。ほぼ全例で腹腔鏡で手術を行っています。2012年度より腹腔鏡の場合には単孔式での手術を積極的に施行しています。症例によっては傷の大きさがそれぞれ1㎝程度で3~4カ所をあける従来の腹腔鏡手術を行ったり、安全性の面から大きな腫瘍(8cm以上)の場合には開腹も考慮します。術後は内分泌代謝内科に転科し、ホルモン検査を施行します。

現在、内分泌内科と連携し、局在のはっきりしたアルドステロンを過剰分泌している副腎腺腫に対して腹腔鏡下副腎部分切除術を行っています。

また、2011年度より単孔式内視鏡外科手術を導入しました。単孔式内視鏡外科手術(Single Incision Laparoscopic Surgery =SILS)とはお臍の1つの切開創から腹腔鏡や手術器具を挿入し手術を行うものです。お臍の切開創は500円硬貨の直径よりも小さい傷跡で、手術後はお臍(へそ)に隠れてほとんど目立たなくなってしまいます。しかし、SILS は全ての患者さんに適応できるわけではありません。患者さんの身体の状態や症状によってはSILS を選択できない場合があります。また、開腹手術や従来の内視鏡外科手術より手術の難易度が高くなります。