メール相談から学ぶ働く人のメンタルヘルス(第45回) 2023年12月4日
勤労者メンタルヘルスセンター長 山本晴義
- ※新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行に伴い、タイトルを一新しました。今後はより広い形で、働く人のメンタルヘルスについて発信していきます。
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事例㊺ 天気が悪いとやる気が出ません。
(相談者 男性 40代 建設業)
【相談メール】
雨や曇りなど、天気が悪いだけでやる気が起きません。若い頃はそんなことはなかったのですが、40歳を過ぎたあたりから急に天気に左有されるようになりました。天気さえよければ、どんなに暑くても寒くても外仕事が苦にならないのですが…これはうつ病なのでしようか。
【回答メール】
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天気が悪いと体調も悪い―そう感じる人は少なくありません。
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天気が悪いというのは、気象学的には「低気圧が通過している」ということを意味します。
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人の体には常に外の空気から何トンもの圧力がかかっています。なのに押し潰されないのは、内側から押し返しているから。体内を空気や液体で満たし、外気と同じ圧力を保っているのです。
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気圧が変化すると、その調整をしている自律神経のバランスが崩れ、さまざまな影響が出ます。頭痛や関節痛、肩こり、めまい、耳鳴り、神経痛、そして時にうつ症状を招きます。
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加齢によって神経系は徐々に衰えてくるため、症状がより出やすくなることもあります。40歳を過ぎた頃からこの傾向が強くなったのは、自律神経のバランスを取る力が加齢とともに衰え、外界に順応しづらくなったからだと考えられます。
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日常生活に支障をきたすレベルであれば、メンタルの専門医(精神科医や心療内科医)の受診をお勧めします。
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個人でできる対処法としては、食事と運動習慣で自律神経を整えておくこと。1白3食を心がけ、ストレッチなどの軽めの運動を取り入れましょう。体温を高めに保ち、代謝をよくすることで、自律神経は乱れにくくなります。
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また、リラクセーション音楽に「雨音」が使われるように、本来、雨には癒やし効果があります。雨の日は目を閉じて、じっと雨音に耳を傾けると、気持ちが安らぐかもしれません。
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【対応のポイント】
季節の変わり目や雨の日は、調子を崩しやすいものです。患者さんに対しては、「雨だから気が滅入る」ということ以上に、気圧や自律神経の関係など、体の機能的な原因もあるのですよと説明することもあります。体を整えることで心も整います。まさに心身相関ですね。
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※ 実際に送られてきた相談メールを参考に、相談者のプライバシーを考慮して作成しています。
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