メール相談から学ぶコロナ感染拡大時におけるメンタルヘルス(第38回) 2023年3月1日
勤労者メンタルヘルスセンター長 山本晴義
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事例㊳ すぐに病院に行かせたがる夫。
(相談者 女性 30代 IT関連)
【相談メール】最近頭痛が続いているのですが、夫は「コロナや何かの病気かもしれないから病院に行け」とうるさく言います。今仕事はほとんどがリモートワークで、人と会うのは最低限です。もちろんワクチンも接種済みですし、日頃の感染対策にも十分気をつけているからか、これまで一度もコロナに罹患したことはありません。今の症状も、仕事の忙しさからくるものだと思います。自分の体のことは自分が一番わかると思うのですが、どうすればいいのでしょう。
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【回答メール】
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お困りのご様子、伝わってきます。
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たとえばうつ病のような精神疾患の場合は、症状によって生活に支障をきたしているかどうか―が受診のポイントの1つです。
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心身に多少の症状があっても、毎日をいきいきと過ごせていれば、ある意味では「健康」だと言うことができます。
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ただ、身体の病気はそうはいきません。知らないうちに病気が進行していて、気付いた時には深刻な状態になっている―ということもあるのです。
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実際に診ていないので正確なことは言えませんが、医師の立場としては、何かしらの変化や自覚症状がある以上は「万が一」を想定することになります。自己判断するのではなく、受診することをお勧めします。
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まずはお近くのかかりつけ医に相談してみてください。検査や治療を勧められたら、お金や時間などに大きな問題がなければぜひ受けてください。
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もちろんその時は、あなたの考えも正直に話してかまいません。患者の意思を無視して無理強いすることはありません。
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確かにあなたの体のことですが、あなた一人の体ではなく、旦那さんと一緒の体だと考えてください。ご家族の安心や幸せのためにも、ここは気持ちを汲んで、病院に行ってみることをお勧めします。
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そこで問題が見つからなければ「とりあえずしばらくは健康だ」と前向きに考えることもできるのです。
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【対応のポイント】
メンタルの病気は「気の持ちよう」と思われ、受診や治療が遅れることが多いものです。しかしながら、すべてをストレスやメンタルのせいにしてしまうと、体の病気の発見・治療が遅れることもあります。日々のセルフケアを怠らないことはもちろん大切ですが、専門家を適切に頼るという選択肢を持つことも必要なのです。
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※ 実際に送られてきた相談メールを参考に、相談者のプライバシーを考慮して作成しています。
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勤労者こころのメール相談(mental-tel@yokohamah.johas.go.jp)
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■各記事
・新型コロナウイルスでうつ病に?病院に行くべき症状は?
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