メール相談から学ぶコロナ感染拡大時におけるメンタルヘルス(第37回) 2023年1月31日
勤労者メンタルヘルスセンター長 山本晴義
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事例㊲ なんでもネット通販で済ませようとする妻。
(相談者 男性 50代 公務員)
【相談メール】ネット通販での買い物を覚えた妻が、何でもネットで買うようになり、外出する機会が極端に減ってしまいました。スーパーまで歩いて10分もかからないのに、ネットで買えるものはすべてネット購入しています。生鮮食品でさえも、定期便のような形で通販を利用しています。ただでさえコロナ禍で外出の機会が減っているのに、気持ちが滅入ったり、運動不足にならないか心配です。
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【回答メール】
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心配なご様子伝わってきます。
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コロナ禍によって爆発的に普及したものの1つに、ネット通販があげられます。かつての「ステイホーム」から、感染に気をつけつつ日常生活を営もうとする「ウィズコロナ」時代となっても、便利な方法としてこれからも発展し続けていくでしょう。
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確かに運動習慣は、日々の健康を保ち、老化予防に有効なことの1つです。
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特に老後は、変化のない生活が続くことで、気持ちに張りが出なくなる人も少なくありません。運動や趣味の習慣を持つことで生活にメリハリがつき、心身を活性化させることができるのです。
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とはいえ、無理をして続けると心身に負担がかかり、本末転倒です。
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また、高齢者は、若い頃のように体が動かなかったり、思うように変化についていけないことによるストレスから、心身に不調をきたす方も少なくありません。
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50代という年齢はまだまだ若い部類ですが、今後のことを考えると、ネット通販を使いこなせている奥様のエネルギーはむしろ尊敬に値します。今の状況に支障がないのならば問題ないでしょう。
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ただし、運動習慣を持つこと自体は大切なことです。たとえば、室内でできる体操やストレッチなど、買い物以外の方法で運動習慣を持つことはできます。ぜひ夫婦二人で楽しめるものを見つけ、実践してみてください。
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【対応のポイント】
かく言う私も、コロナ禍を機にネット通販の便利さに目覚め、あらゆるものをネットで購入しています。今日注文して明日には届くというのは驚きです。ただ、70歳を超えた今でも、毎朝の体操、徒歩通勤、階段の使用など、運動習慣には気を配っています。便利なものは活用しつつ、自分の健康を保つ努力も必要です。
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※ 実際に送られてきた相談メールを参考に、相談者のプライバシーを考慮して作成しています。
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勤労者こころのメール相談(mental-tel@yokohamah.johas.go.jp)
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