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医療コラム

メール相談から学ぶコロナ感染拡大時におけるメンタルヘルス(第32回) 2022年7月25日

勤労者メンタルヘルスセンター長  山本晴義

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  • 事例㉜ 主治医にお礼を差し上げたいのですが。

    (相談者 男性 50代 開発職)


    【相談メール】

    妻がコロナに感染し、入院していたのですが、この度無事に退院することができました。主治医の先生にお礼を差し上げたいのですが、経済的に余裕がなく、大した額は出せません。多かれ少なかれ何らかのお礼はした方がいいと思うのですが、どうすればいいでしょうか。


    【回答メール】

    まず結論から申し上げますと、謝礼は必要ありません。

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  • 「お世話になった人にお礼をあげたい」というあなたの気持ちは、人として自然な感情です。しかし現在の医療界では、「医療従事者は患者や家族から金品を受け取ってはならない」という原則があります。

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  • 多くの病院ではそれを規則として明記さえしているのです。

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  • 確かに、ひと昔前までの医師は“お医者様”と呼ばれ、金品の授受が当たり前のように行われていたかもしれません。

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  • しかし、時代は大きく変わりました。もし今、金品授受が日常的に行われている病院があるならば、それは「非常識」で「問題のある病院」なのです。

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  • 手術や投薬などの医療行為に対しては、保険料も踏まえて適正な金額が病院に支払われています。医療従事者としては感謝の意を言葉で伝えてもらうだけで十分励みになるものです。

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  • また、金品を渡すかどうかでその後の治療の質が変わるようなこともありません。

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  • 今あなたがすべきことは、退院を迎えた奥様が少しでも安心して元の生活に戻れるようにすることです。

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  • 医療従事者は、一人ひとりがプロとして自覚を持ち、きちんと治療にあたっています。謝礼として考えているお金は、奥様の療養や快気祝いに回し、家族の時間を充実させてください。

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  • 【対応のポイント】

    コロナ禍に限らず、診療に追われている中で、心温まる言葉やお手紙をいただくことがあります。それだけで疲れが吹き飛びます。患者さんやそのご家族が元気になり、充実した日々を送れるようになることが、何よりのプレゼントです。


     
    ※    実際に送られてきた相談メールを参考に、相談者のプライバシーを考慮して作成しています。

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    • 勤労者こころのメール相談(mental-tel@yokohamah.johas.go.jp

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    •  勤労者メンタルヘルスセンター山本晴義センター長(心療内科医)が自らお答えするメール相談です。年中無休の24時間、無料でお受けしており、原則24時間以内にご返信いたします。

 

 

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