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医療コラム

メール相談から学ぶコロナ感染拡大時におけるメンタルヘルス(第30回) 2022年5月25日

勤労者メンタルヘルスセンター長  山本晴義

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    事例㉚ コロナ禍で体重が増え続けています。

    (相談者 男性 50代 事務職)

     

    【相談メール】

    コロナ禍で運動不足になり、体重が増え続けています。仕事はテレワーク中心ですが、毎日のようにジョギングし、周囲の仲間よりはよほど体力はあるのですが、食べる量が以前より増えており、これを減らすことができずに困っています。半年前に買ったばかりのズボンが、もうきつくてはけなくなりました。どうしたらいいのでしょう。

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  • 【回答メール】

    ストレスと食欲は密接な関係があります。ストレスによって自律神経のバランスが崩れると、食欲不振になったり、逆に過食を招いたりするのです。

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  • 原因にストレスが存在するかどうかは別として、いわゆる「大食い」「ドカ食い」をする人には「早食い」の傾向が見られることが多いと言われます。

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  • まずは食事の時に、一口一口ゆっくり食べるように心がけましょう。味はもちろん、見た目や匂い、食感など、あらゆる感覚を使って食事を楽しむことが大切です。

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  • また、1人ではなく、誰かと会話を楽しむなど団らんの時間を持つことも有効でしょう。コロナ禍において、家族以外との会食は推奨できませんが、「マスク会食」ならむしろ食べるペースがゆっくりになり、好ましい効果が得られるかもしれません。

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  • 一方では、食事以外のストレス解消法を考えることも必要です。運動習慣を持っているそうですが、楽しめているでしょうか。運動不足解消のためと無理をしてはかえってストレスがたまるかもしれません。より楽しいと思える運動、また他にも夢中になれる趣味があると、ストレス解消に役立ちます。

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  • 私がコロナ禍で特に大切にしている言葉に、「ピンチはチャンス。チャンスはチャレンジ。チャレンジはサクセス」というものがあります、

    このピンチは新たなストレス対処法を身につけるチャンスでもあります。新たなチャレンジは必ずや成功につながるでしょう。

     

  • 【対応のポイント】

    目に見える大きな出来事にとらわれてしまうことはよくあります。今回の場合も「コロナ禍による運動不足」に隠れて、実は「ストレスによる食事習慣の変化」という要因を見逃しているかもしれません。変えられるところに着目しチャレンジしていくことで解決に結びつくのです。

      

    • ※実際に送られてきた相談メールを参考に、相談者のプライバシーを考慮して作成しています。

     

    • 勤労者こころのメール相談(mental-tel@yokohamah.johas.go.jp

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    •  勤労者メンタルヘルスセンター山本晴義センター長(心療内科医)が自らお答えするメール相談です。年中無休の24時間、無料でお受けしており、原則24時間以内にご返信いたします。

 

 

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