メール相談から学ぶコロナ感染拡大時におけるメンタルヘルス(第28回) 2022年3月16日
勤労者メンタルヘルスセンター長 山本晴義
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事例㉘ 友人のそっけない態度に落ち込みます。
(相談者 女性 40代 事務職)
【相談メール】
コロナ禍でしばらく疎遠になっていた大学時代の友人に久しぶりに連絡を取ったのですが、そっけない返事がきました。こちらとしては「久しぶりに会って積もる話でも…」と思っていたのですが、かなりの温度差を感じ、落胆しました。これ以上連絡を取らない方がいいのでしょうか?
【回答メール】
メンタル不調の予防には、趣味や運動習慣、仲間とのコミュニケーションが大切です。
コロナ禍によって、そこに大きな制限がかかりました。これまで自粛を続けてきた分、久しぶりの再会を願うあなたの気持ちは理解できます。
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ところで、「コミュニケーション」の語源は、ラテン語の「コミュニス(communis=共有、共通)」からきているという説があります。
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つまり、一方的ではなく、お互いの気持ちを尊重しながら、通じ合わせることが大切なのです。
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今回の件を相手の立場に立って考えてみると、いろいろな事情が想像できます。
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たとえば、多忙でゆっくり返事をする時間がなかったり、コロナ禍で人と会うことに心配があるかもしれません。
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また、文章というのは明確に意図を伝えるのがより難しく、誤解を招きやすいものです。相手が「本当はとても会いたい」という気持ちで書いている可能性すらあります。
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もちろんあなたが落胆したのは事実なので、友人側にも配慮の余地はあったでしょう。ただ、必ずしも温度差があるとは言えないのです。
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引っかかることがあるのなら、聞いてみても良いでしょう。責めるのではなく、素直に聞き、相手の気持ちを確かめてみてください。
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あなたがコロナ禍で会いたいと思える友人なのですから、きっとそれで気分を害して関係が終わってしまうようなことはないはずです。
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むしろ案外「なんだそんなことか」と笑い話になるかもしれません。
【対応のポイント】
患者さんにメールをもらい、さぞ大変な状況なのだろうと次の診察でお会いすると、なんてことのない笑い話だった、という経験は私自身何度もあります。もちろん手軽にやり取りできる意義はありますが、実際に聞いてみないとわからないことは本当に多いものです。
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- ※実際に送られてきた相談メールを参考に、相談者のプライバシーを考慮して作成しています。
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勤労者こころのメール相談(mental-tel@yokohamah.johas.go.jp)
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