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医療コラム

メール相談から学ぶコロナ感染拡大時におけるメンタルヘルス(第18回)2021年4月9日

勤労者メンタルヘルスセンター長  山本晴義

事例⑱ まったく外出しない妻が心配。
(相談者 男性 60代 無職)

【相談メール】
妻が新型コロナウイルスを怖がり過ぎて、まったく外出をしなくなりました。日々の買い物は娘に任せ、自分はもう何か月も一歩も外に出ていません。私が外出することにも否定的で、たまに出かけると口もきいてくれません。

【回答メール】 
「新しい生活様式」が公表され、かつての「ステイホーム」から、感染に気をつけつつ日常生活を営もう―という流れに移行しつつあります。その意味では、「数か月間一歩も外に出ず、家族の外出にも否定的」というのは、過剰なストレス反応といえるでしょう。

ただ、長引く不安な状況にストレスがたまって苦しんでいる奥さまの気持ちも理解できます。そんな状況で無理に説得するのは難しいでしょう。ここは彼女にストレスをかけないようにしつつ、あなた自身ができることを考えるのが得策です。

まずは、外出をしなくても自宅でできるストレス解消法を見つけ、実践してみることです。テレビで映画を観たり音楽を聴く、あるいは体操やストレッチなど、家の中でできる軽い運動もあります。夫婦で一緒にできれば、彼女のストレス解消にもつながるはずです。

大切なのは、奥さまを無理に変えようとしないこと。彼女の許容範囲でできることを一緒に楽しむことでストレスが解消され、あなたへの態度も変わってくるかもしれません。

ただ、それも期待しすぎると押しつけになってしまうので、「押しつけ」は厳禁です。そのためにも、まずはあなた自身が楽しめることを見つけ、充実した日々を過ごすことです。

【対応のポイント】
「相手を変える」という解決方法は大抵の場合失敗に終わり、悪化することすらあります。夫婦とはいえ同じことです。まずは自分自身が楽しんだり、伝え方を考えたりと、工夫をしてみることが大切です。その結果相手が変わるかどうかはわかりませんが、“今自分にできること”に取り組めるよう後押ししています。

※ 実際に送られてきた相談メールを参考に、相談者のプライバシーを考慮して作成しています。


勤労者こころのメール相談(mental-tel@yokohamah.johas.go.jp

勤労者メンタルヘルスセンター山本晴義センター長(心療内科医)が自らお答えするメール相談です。年中無休の24時間、無料でお受けしており、24時間以内にご返信いたします。

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