MENU

地域のニーズに応える医療を提供する施設を目指して

  • お知らせ

はじめまして、2020年4月から中山 昌樹先生の後任として産婦人科部長に就任した松永 竜也(まつなが たつや)と申します。
横浜労災病院産婦人科が行っていく医療について、周産期及び婦人科腫瘍、さらに信条(ポリシー)について説明させていただきます。

 

松永 竜也

松永 竜也
産婦人科部長

 

専門内科が連携 安心・安全な周産期医療はお任せください

当院は24時間365日産婦人科/新生児科/麻酔科が院内に在中しており、周産期緊急に対応できること、さらに内分泌/膠原病/血液/循環器といった専門内科があるため、様々な母体合併症の妊娠管理を行うことができることが大きな特徴です。

また、当院の新生児科のおかげで、横浜市内でも妊娠26週0日からといったかなり早い週数の早産に対応できる数少ない施設です。
これらの特徴を生かし、貴重児や合併症のもつ妊婦さんに対して、安心・安全な周産期医療を提供することができます。

 

最新の出生前診断にも対応
新規に導入(予定も含みます)したこととして、学会の認定施設として新型出生前診断(略称:NIPT→妊娠10週以降に行うことができる母体血を用いた、非確定胎児染色体検査)及び羊水検査を行うことができる体制ができ、今年度中に開始を予定しています。
当院には日本産科婦人科遺伝子診療学会認定医が在籍し、当院で分娩する予定の妊婦さんを対象にカウンセリングを行ってから検査を行います。

 

妊婦さんの目線に合わせた分娩と環境構築

前回分娩が帝王切開であった妊婦さんに対して、今までは今回の分娩方法を帝王切開と限定していましたが、ある一定の条件を満たす妊婦さんには経膣分娩も提示し、分娩方法が選択できるようにしています。

また、医療とは別の部分であるアメニティを再考し、産褥部屋の改装(4人部屋及び個室)と食事の改善を行い、なるべく様々な患者さんのニーズに柔軟に対応しております。
さらに労災病院のHP内にリンクした形で独自の産科サイト(yokohama-osan.com)を作成し、その中で当院の分娩を詳細に紹介させていただいておりますので、当院での分娩を検討されている妊婦さんにそのサイト閲覧を進めていただければ幸いです。

 

 

更に低侵襲・高精度な婦人科腫瘍手術

子宮筋腫や卵巣嚢腫といった良性は90%以上、さらに一部の子宮頸がんや子宮体がんまで適応が拡大したことから、悪性腫瘍も腹腔鏡あるいはロボット支援下システムを用いた低侵襲手術で行っています。

腹腔鏡もロボット支援下手術でも患者さんの金銭的、身体的負担に違いはありません。
ロボット支援下手術の場合3D画像、鉗子の可動範囲の広さから繊細な手術操作、高い精度の手術を行うことができます。
さらに座位での手術であるため、術者にも優しい手術になります。

当院では2020年より導入を開始し、15例、35例、本年度は50例を大きく超える症例数を数えています。
さらに次年度にはロボット手術支援下機器のVersion Upが予定されており、リンパ節郭清や骨盤内臓器脱の手術もその適応を拡大していく予定です。

 

腫瘍内科と連携し安全な化学療法を実施

当院における悪性腫瘍に対する治療の特徴としては、市中病院ではまだ稀である分子標的薬(免疫チェックポイント阻害剤など)を含む化学療法を専門とする腫瘍内科があることだと考えます。

また、悪性腫瘍の遺伝子バリアント(変異)を網羅的に探索して、そのバリアントに応じた治療薬を検討することができるがん遺伝子パネル検査を行うことができるため、婦人科悪性腫瘍ではあまり使用経験のない薬剤について腫瘍内科にコンサルトできますので、治療の選択肢が増えるとともに安心して治療を行うことができます。
労災病院のHP内にリンクした形で独自のがん治療サイト(yokohama-gan.com)を作成し、その中で当院のがん治療を詳細に紹介させていただいておりますので、当院へ悪性腫瘍を疑う患者さんをご紹介する際に参考にしていただければ幸いです。

 

横浜労災病院産婦人科が目指す信条(ポリシー) 

今まで自分は市中病院を中心に勤務してきたからこそ、近隣の先生方から患者さんを紹介していただくことが何よりも大切であることを認識しております。
つまり、患者さんを紹介していただくためには近隣の先生方との関係性、信頼の構築、改善、維持が重要と考えています。
そのために以下の事を当院のポリシーとしてスタッフにも指導し、実践しております。

 

逆紹介の推進
今までは子宮内膜症や子宮筋腫といった良性疾患に対して保存療法の方針となった患者さん、子宮頸部異形成の円錐切除後の患者さんなどは当院で比較的長期に管理させていただいておりました。
しかし、前述の近隣の先生方との関係性を重視する点や病院経営の観点から、患者さんの循環が重要と考え、術後や保存療法の方針が決まった早い時期に逆紹介することにしています。

一方で、浸潤癌の患者さんは日本産科婦人科学会への登録事業もあることから今まで通り約5年を目途に管理させていただいておりますが、6年目以降に関してはフォローの施設を患者さんと相談して決めております。

 

近隣施設との距離感(紹介受診の敷居を下げる)

近隣施設へ初診で受診される、フォローされている症例の中には、悪性腫瘍の診断や手術適応に迷わない症例だけでなく、逆に疾患の診断やフォローの方針といった症例もあろうかと思います。
そのような症例でもどんどん紹介していただき、当院で精査することで診断やフォローの方針を決定し、その方針を提示した形で逆紹介していく事も進めていきたいと考えています。

さらに情報管理面の問題から現時点では実装できていませんが、将来的には登録医の先生方から患者さんの診断や方針含めた情報交換、紹介の可否などを気軽に相談できるようなSNSを使用したフォームの立ち上げを検討しています。

このように近隣施設との良い距離感、紹介受診の敷居を下げること、患者さんの循環が構築できるように意識していきたいと考えております。
紹介を迷われる患者さんがいらっしゃいましたら、まずはお気軽にご相談ください。

一覧へ戻る