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母と子、そして家族に優しい周産期医療の取組

  • お知らせ

はじめまして、横浜労災病院 新生児内科の西 大介(にし だいすけ)と産科の笠井 絢子(かさい じゅんこ)です。
当周産期センターは、横浜市北部地域の医療機関のひとつとして、港北区にお住まいの方を中心に、NICUにて早産児や出生後に何らかの症状を呈した児にケアを行い、退院後は外来にて成長発達のフォローアップを行っております。
今回は、当院のNICU、発達外来についてご紹介いたします。

 

周産期救急の中核を担うNICUでの取組

当院では開院以来、未熟児・新生児医療に力を入れており、在胎26週以降の早産児のケアや、重症新生児仮死に対する低体温療法など、重症児の治療を行っております。
当院のNICUで対象としている患者は下記の通りです。

生後早期に外科的治療を要する心疾患や、緊急手術を要する外科疾患に対しては対応しておりません。
紹介の判断に迷われた場合には、まず当院新生児科医師までご連絡ください。

 

入院経路

母体搬送>

周産期センターとして産科と協力して妊娠26週以上(推定体重不問)の妊婦さんをお受けしております。
早産児の場合は、出生後に児を新生児搬送するよりも、出生前に妊婦さんを受け入れた方が赤ちゃんへの負担は少ないので、切迫早産、前期破水、前置胎盤、妊娠高血圧、胎児発育不全など、早産になりそうな場合には産科で妊婦さんを受け入れます。
当院は、NICUの隣に分娩室がありますので、出生後すぐにNICUでの治療が可能です。

また、妊娠34週未満の早産が1週間以内に予想される場合には、児の肺成熟や頭蓋内出血を予防する目的で、母体にベタメタゾン12㎎を24時間ごと計2回投与することが推奨されているため、早めにご相談ください。
窓口は産科になり、24時間365日対応しておりますので、産科医師から当院の産科医師へご連絡ください。

新生児搬送>

出生後に何らかの症状を呈した赤ちゃん(呼吸障害、新生児仮死、低血糖、黄疸など)は決して少なくありません。地域の分娩取り扱い施設と連携し、そのような赤ちゃんたちを積極的に受け入れ、迅速に安定できるように勤めています。
一般的な輸液や人工呼吸管理だけでなく、新生児仮死に対する低体温療法や遷延性肺高血圧症に対するNO療法といった重症児への対応も可能です。ただし、生後早期に外科的治療を要する心疾患、緊急手術を要する外科疾患が疑われる場合には受け入れをお断りすることがあります。紹介の判断に迷われた場合には、まず新生児内科医師までご連絡ください。

分娩立ち会い>

近隣に分娩立ち会いを含めた新生児搬送を自前の救急車で行っている施設があるため、当院では基本的に他施設での分娩立ち会いは行っておりませんが、状況によっては対応いたしますので、危急の場合にはどうぞご相談ください。

 

入院中のケア

全身管理>

在胎期間や体格に関わらず、全ての赤ちゃんが呼吸と血液循環の変化という大きな課題に直面します。
出生後に最も起こりやすい呼吸障害に対しては、出生後の経過やレントゲン所見、血液ガス所見等から的確に診断し、人工呼吸管理(SIMV、HFO)を始め、人工サーファクタントの投与やbilevel CPAP、HFNCといったデバイスを用いて呼吸補助を行います。その他、身体所見に加え、各種検査所見から全身状態を把握し、intact survivalを目標としたきめ細かいサポートを行っていきます。

栄養管理>

赤ちゃんにとって最適な栄養は母乳であり、母児関係を形成する上でも母乳育児が非常に大切な役割を果たすことは多くの科学的根拠に基づいていることで、当センターでは母乳をメインとした栄養管理を行っています。しかし、母乳育児に偏ることは時にご家族の負担、ひいては赤ちゃん自身にとっても負担になることがあるので、私たちは実現可能な母乳育児を推進しております。

ファミリーケア>

赤ちゃんと母親の両方を大事にしても十分とは言えません。祖父母など家族による育児環境が重要となっています。赤ちゃんを中心として両親に寄り添い、よりよい育児環境を整えるために、区役所など行政・福祉や訪問看護など地域医療サービスをはじめ、近隣の産科・産院や小児科と連携をとっています。

 

発達外来

NICU卒業生を中心に、成長発達のフォローアップを行っています。
横浜市港北区を中心に、里帰り分娩や転居による外来転院にも対応いたします。どうぞお気軽にご紹介ください。
また、転居先が横浜市だけど紹介先がわからないという場合にもご遠慮なくご相談ください。適切と思われる施設をご紹介いたします。

 

受診までの流れ

当院地域連携室にお電話いただき、火曜日か金曜日の午後の外来枠で予約をとり、受診してください。
紹介状をあらかじめ郵送かFAXしていただけると受診がスムーズとなります。お手数をおかけしますが、ご協力お願い申し上げます。
医療的ケア(在宅酸素療法や人工呼吸管理、経管栄養など)を要している場合は、地域連携室にご連絡いただく前に、新生児内科 西、あるいは堀口宛にお電話いただけますようお願い申し上げます。

 

先生方へのメッセージ

当周産期センターでは、『家族を含めたケア』、『出生前から退院後の成長発達も』、『スムーズな地域連携』をモットーに日々周産期医療に取り組んでいます。ご紹介に関わるご相談につきましては、よろこんでお受けいたしますので、迷われた際にはまず、当院医師にご連絡ください。母体については産科医師、新生児については新生児内科医がご相談をお受けいたします。在宅医療が必要な児の外来紹介については新生児内科西、あるいは堀口にお電話ください。

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